業界最高品質
[施工哲学]
プレミアムペイントの施工哲学「本物施工法の追求理論®」とは何か?
「塗料」と「施工」の追求から確立された「本物施工法の追求理論®」ー 概論 ー
塗料と施工は両輪である。
だから両方を追求しなければ最高品質は成立しない。
プレミアムペイントの根底には、この思想が根強く刻まれています。それはプレミアムペイントが職人とお施主様から誕生した業界唯一の「現場主義」塗料メーカーであることが深く関係しています。
プレミアムペイントの塗料は施工現場が「塗料研究場所」であり「塗料開発場所」であると創業当時から貫いてきた信念です。その信念から「本物施工法の追求理論®」は生まれました。
塗装工事店の強さを引き出す塗料・・・ラインナップ
塗装工事店はそれぞれ特徴を持っています。その「特徴を活かす=強みを引き出す」ことができれば、今まで以上の施工を実現することができると考えています。
しかし、100社100通りの特徴がある中では方向性を定めることができず、一向に施工品質を高めることができません。そのため、まずは大きく2通りに分けて基準を作り、整える必要があると考えました。それが「品質重視のプロフェッショナルシリーズ」そして「作業性重視のスタンダードシリーズ」という塗料による基準です。
スタンダードシリーズ
スタンダードシリーズは、水性1液型塗料を中心に、プロフェッショナルシリーズと比較しても作業性や価格性を追求しながらも、耐候性を可能な限り失わない設計を基礎として製造しています。一般塗料と価格性や作業性は同等レベルでありながら、耐候性を引き伸ばすことができているのは、プレミアムペイントは塗料の樹脂から製造し、独自の結合力や乾燥技術を用いているからです。今までの塗料の作業性と違和感なく、こだわりの塗料を実感できる優れたシリーズがこのスタンダードシリーズとなります。
プロフェッショナルシリーズ
プロフェッショナルシリーズは、弱溶剤2液型の塗料であり、「昔ながらの塗料」の概念に基づいた本格派塗料としての設計です。現在の市場で出回る水性1液型塗料に慣れている方には多少の抵抗をお感じになられることもあるようですが、塗料本来の在り方にこだわった商品となっており、現在ではこのような塗料は希少になってきています。ゆえに、本格的な施工をお考えの塗装工事店様には価値あるラインナップとなります。
塗装工事店の強さを引き出す塗料・・・グレード
そして、塗料グレードとして、最高級の無機ハイブリッド塗料、その次に、フッソ塗料、シリコン塗料、ウレタン塗料と、現在の代表的な全てのグレードに対応をしています。また、付加価値のついた機能性塗料として、最高級の遮熱塗料がラインナップされています。このように余すところなくお施主様のご要望に応じることができる塗料設計を実現しています。
耐候年数の表記の注意点
また、耐候年数の表記について、一般的に多くの塗料メーカーのパンフレットやセールストークとして、やや大げさな表記・表現がされていることが多々あります。しかしプレミアムペイントでは「本物施工法の追求」の精神に基づき、実態に合わせて確かな耐候年数の範囲のみを誠実に記載することを心がけております。もちろん記載いたしました耐候年数よりも長持ちすることも十分に考えられますが、プレミアムペイントでは、耐候年数の表記が売るための売り文句とならぬよう、施工店様、お施主様へ正しい表記を徹底してまいります。
塗装工事店の強さを引き出す塗料・・・下塗り塗料
プレミアムペイントは、下塗り塗料に対して最も力を注いでいる塗料メーカーでもあります。一般的には、上塗り塗料の方へ意識が向きがちですが、上塗り塗料の性能を100%引き出すのも、仕上りを向上させるのも、すべて下塗り塗料がしっかりしていてこそ成り立つと考えているからです。
また、長年、経験されている塗装技術者たちも上塗りよりも下地づくりがもっとも大切であり、その役目が下塗り塗料ということを理解しています。
プレミアムペイントは「現場主義」であるからこそ、創業以来ずっと下塗り塗料の開発に力を注いでいるのです。
『耐候性10年以上を誇るプレミアム下塗り塗料』
ETERNITY(エタニティ)シリーズ
「弱溶剤2液型」塗料を基本とし、強い塗膜形成を図る
そもそも、住宅用塗料の代表的なものには「水性1液型」「水性2液型」「弱溶剤1液型」「弱溶剤2液型」という4種類があります。「1液型」というのは、ホームセンターでも一斗缶塗料が販売されているように、中身をそのまま使用できるようになっているため、作業性に優れています。一方で「2液型」というのは、A液(主剤)とB液(硬化剤)という2つの液体に分かれており、使用する際に2つの液体を定められた比率通りに計測しながら使用していく必要があります。1液型に比べて手間はかかりますが、より品質を求める場合には2液型塗料を使用する必要があります。そしてプレミアムペイントでは2液型塗料を標準仕様としています。
弱溶剤2液型塗料について
もともと塗料というのは「強溶剤(きょうようざい)」型と呼ばれる塗料が主流でした。耐候性は非常に高いものの、臭気がとても強く、旧塗膜を傷めてしまう可能性もあり、そして環境問題の観点から「弱溶剤(じゃくようざい)」型へと改善されて今日に至ります。
さらに、環境問題の深刻化、塗装工事中の臭気問題もあり、「水性型」が主流になりつつあります。しかし「耐候性」を求めるのなら「弱溶剤型」を推奨しています。ボールペンに例えるとわかりやすいかもしれません。水性ボールペンはさわるとインクが取れてしまうのに対して油性ボールペンは取れることがありません。そのようなイメージです。
また、2液型塗料の方が1液型塗料に比べて、なぜ耐候性があるのかと申しますと、
- ■樹脂量を多く混入することができるようになること
- ■自然乾燥ではなく化学反応で固めていくため強靭な塗膜が形成されること
- ■その結果、塗料本来の性能を発揮させることができること
このような特徴が挙げられます。つまり、現場の施工中に2つの液体を混ぜ合わせるという手間はあるものの、より確実な耐候性と密着性を得ることができるようになるということです。
従来は強溶剤という塗料が主流だったと言われるように、2液型そして3液型が主流でした。それが現在では技術の進歩により1液型も多く出てきています。
しかし、1液化という技術はまだまだ発展途上の技術であると言われています。やはり、「本来」の塗料の姿に近いのは2液型であり、1液型は作業性を重視しているため耐候性を犠牲にしてしまっているのが現段階の技術の限界でもあるのです。
秤を使用して「1gも間違えないように」定められた比率通りに塗料をつくる。
これがプロとしての基本姿勢である。
水性1液型塗料をどう考えるか
一方で、水性1液型塗料をどのように考えていけば良いでしょうか。いくら弱溶剤2液型塗料の方が長持ちする方が良いからといっても、地域によっては臭気に敏感なエリアもあります。また、小さなお子様がいる場合にも塗料の臭いには敏感になるでしょう。
ですから一概にこちら側の考えを押し付けるのではなく、施工店様そしてお施主様の双方が最善だと思われる塗料選定を行うことが何より大切だと考えています。そのためプレミアムペイントは「スタンダードシリーズ」として水性1液型塗料を中心としたラインナップも設けているのです。
そのうえで、水性1液型塗料についての考えを述べさせて頂くと、「乾燥の仕方」に着目する必要があると考えました。
水性1液型は「自己架橋技術」で強い塗膜形成を図る
一般的な水性1液型塗料では、「融着(ゆうちゃく)」と呼ばれる自然乾燥によって塗膜形成を図ります。室内塗装など、雨や風、夜露などの外的要因の影響を受けない場所での塗装であれば問題はありませんが、外壁・屋根塗装を行っている実際の現場であれば話は変わっていきます。なぜなら急な降雨や温度変化、突風、等々の外的要因にさらされる危険性は常につきまとってくるためです。
ですから、自然に身を任せる乾燥では、塗膜が形成される前のリスクが高く、ここにプレミアムペイントは注力する必要があると考えました。その結果いきついたのが「自己架橋(じこかきょう)技術」による反応乾燥です。
本来、反応乾燥は2液型塗料特有のものでありましたが、自己架橋技術を採用することで空気に触れたとたんに塗料自体が反応しながら緻密な塗膜を形成しはじめ、強靭な塗膜が出来上がるという仕組みとなっています。
このようにして、プレミアムペイントでは水性1液型塗料であったとしても、水性1液型の作業性の良さや低臭気というメリットを最大化させつつ、耐候性能においても、可能な限り最大化を図っているのです。
施工力を強化する「技術研修」・「認定施工店」制度
すべての塗装工事店が扱えるわけではありません。
プレミアムペイント独自の施工体系である「本物施工法の追求理論®」を理解し、プレミアムペイントの使用を許可している認定施工店様はすべての塗装工事店の10%にも達していません。
それは、プレミアムペイントは塗料を売ることが目的ではなく、確かな施工をお約束できる塗装工事店様のみに扱って頂き、お施主様の末永い安心を実現して頂きたいという思いを持っているからです。
そのために「技術研修」制度を設け、塗装工事店様が塗料を選別するように、私たちも私たちに合った塗装工事店様を選ばせて頂いているのです。それがエンドユーザー様であるお施主様に対しての信頼づくりと心得ているからです。
今日でも多くの塗装工事店様から取扱店申請が届いておりますが、プレミアムペイントがお施主様に代わって、厳しい目で塗装工事店様を選ばせて頂いているのです。ですから認定施工店として認定を受けた塗装工事店であれば確かな施工力を身に付けているため安心して工事を依頼することができるでしょう。
技術研修 講座 風景
技術研修 実技 風景
地域で1社限定の特別な塗装工事店
また、プレミアムペイントは、確かな品質を提供していくために認定施工店様を選ばせて頂いておりますが、それに合わせて「1地域につき1社限定」という枠を設けさせて頂いております。
なぜなら、不当な競争を防ぎ、確かな品質を提供し続けて頂くことが何よりも大切だと考えているからです。
これが、プレミアムペイントの「プレミアム」な所以なのです。
プレミアム認定施工店証
「本物」だからこそ見せられる試験場の公開
プレミアムペイントは、ウソ偽りのない品質を証明するために、認定施工店様に実際の試験場を視察して頂くことも行っています。
実際にどのような環境のもとで耐候性の実暴露試験を行っているのか、耐候性は信頼できるものなのか、等々を目で見て肌で感じて頂きます。
また、その経験によって一般の塗装工事店では経験することのできない塗料についての見識も深まり、より一層お施主様のご要望に適した幅の広いご提案が可能となり、かつ、施工においても塗料を知ることでより一層厳密に「適性な塗膜」をつくるための施工を実施するようになるのです。
「塗料」と「施工」の追求から確立された「本物施工法の追求理論®」ー 具体論 ー
それでは、ここからはさらに具体的に、実際の塗装工事店が日々の中で取り入れている「本物施工法の追求理論®」の流れを見ていきたいと思います。
出社・退社
「施工品質」は朝の出社からすでに始まっています
塗装工事店は「地域密着企業」ですから、常に地域住民から見られ、判断されていると心得る必要があります。
- ■運転マナーは守られているか?
- ■コンビニ等での対応や喫煙マナーは守られているか?
- ■改造車ではないか?
- ■駐車の仕方も整えられているか?
仕事とは朝の通勤時から家に帰るまでです。これらを社長一人ではなく、全社員そして協力業者にも徹底させていくことから全ては始まります。
「材料置場」の整理整頓は基本中の基本
職人の腕の良し悪しとは、現場作業で表れるのではなく、日々の整理整頓という基本姿勢から表れるものであると知ることが大事です。
いつでも、誰でも、取り出しておける状態を保つことが基本です。また、2液型塗料を保管する際に気を付けるポイントがあります。それは、1セット(主剤と硬化剤)をセットで保管ずるということ。塗装工事店の中には、主剤は主剤で、硬化剤は硬化剤で、保管されている方もいます。
しかし、本来1セットのものを別々に保管するということは、間違った組み合わせの主剤と硬化剤になるリスクが非常に高くなります。そのようなヒューマンエラー(人為的ミス)を最小限に抑える仕組みを考えることも施工品質の向上のためには欠かすことのできないポイントとなります。
「環境整備」を徹底する
出社してから取り掛かるのは「環境整備」です。事務所内や事務所まわり、作業車の掃除や整理整頓を徹底します。
塗装工事店とは、お施主様のお家をきれいにする仕事です。
そうであるならば、自社をきれいにするのは至極当然のことであると言えます。自社をきれいにできずしてお施主様のお家をきれいにすることなどできないと厳に戒めることが必要なのです。
朝礼・夕礼
「朝礼」の実施は極めて重要
朝礼とは、ただ話をする場ではなく、全職人を一つにまとめる場とする必要があります。職人とは従来、一匹狼のように個人個人の考え方や感情で成り立ってきた風習があるため、組織として同じ方向性・同じゴールを見ながら仕事をすることが難しい業界と言われています。
しかし、それでは会社を信頼して工事を依頼してくださったお施主様を裏切ることにもなりかねず、本当の意味で施工品質を高めることができません。そのために朝礼や夕礼を実施し、意識を統一できる場を設ける必要があるのです。
「理念・ビジョン・行動指針」で意識の統一を目指す
朝礼は全職人を一つにまとめるための場となりますが、具体的に言うと、「理念・ビジョン・行動指針」といったその会社にある思いやこだわり、これから進む方向性、守るべきルール等々を唱和することから始まります。
これらの実施により、職人たちに高い意識が芽生え、実施していない場合と比べて雲泥の差が出ることが実証済みです。その結果、お施主様満足度が飛躍的に伸びるのです。
個人戦から組織戦へと会社が発展し、より良い商品・サービスを提供し続けるために必須の取り組みです。
1人の経験を全員の知恵として「結晶化」する
さらに朝礼では、「昨日までの振り返り事項」や「本日の業務目標」などの明確化や「現場における注意事項」の共有を、「1度で全員」に伝えることができ、スピードと効率面においても重宝する場とすることができます。
そしてそれは、1人が経験したことを共有することで全員の知識として蓄積されます。すなわち、その蓄積が「結晶化」されることで、自社独自のノウハウや社風となり、安全面の向上や施工品質の向上へつながっていくのです。
お施主様 挨拶
現場初日は親方・子方の「全員」が名刺を渡す
お施主様は実際に工事に携わる職人がどのような方なのか不安に思っています。若ければ「経験が少ないかもしれない」、熟練であれば「要望があっても言いづらい」等々の不安を抱くものです。
ですから、現場に入る初日に親方だけでなく子方まで含めた「全員」がしっかりとお施主様へ名刺を渡し、顔と名前と人となりを伝えることが大切です。お施主様の不安を払拭すること、そして何より職人自身が自分の顔や名前を公開することで責任を持った仕事を行うようになります。親方だけでなく「子方も主役である」という認識が高い施工力と生産性を生むようになるのです。
名刺交換にもマナーがあります。お施主様にお渡しする前に練習を行うことも習慣にしてください。
「お施主様との記念写真撮影」を一つの目標にする
お施主様との記念写真は職人にとっても会社にとっても一生の宝物です。お施主様が満足してくださった証拠であると言えますし、応援してくださっているとも言えます。
それは地域密着の塗装工事店ならば必ず必要になる「お店の評判」です。やはりお施主様との写真が多ければ多いほど評判も比例して良いといって良いでしょう。
そのため、ただ目の前の仕事をこなすのではなく、お施主様と記念撮影をすることを一つのゴールとして、職人たちにはお施主様対応と施工に励んで頂きたいと思います。必ず施工品質も向上し、お施主様満足度も向上するからです。
お施主様の声を成長の糧とする
さらに、お施主様の声(感想やご意見)も記念写真同様に、職人と会社にとってかけがえのない宝物です。
実際に施工した後の感想やご意見を頂くということは非常に貴重なものです。お褒めのご意見に関しては、さらに自社の強みとして伸ばしていき、ご不満やお叱りのご意見があった場合には、真摯に受け止め、早急に改善していかなければなりません。
このように、職人と会社の成長にダイレクトにつながるお施主様からの声というものを頂くためにも、毎日の作業の中において、いかにお施主様と良好な関係を築くことができるかが大切なポイントなのです。
現場での魅せ所
現場の材料置場や車内の整理整頓の徹底
材料置場や車内は、常にお施主様や近隣の方々、同業他社、等々に見られています。仕事の良し悪しというのは、仕上りの良さというよりも、このような場所を見て判断されているということを理解する必要があります。
「腕が悪いのではないか」と誤解を招かないためにも、安全に作業を行うためにも、使った塗料は元の位置へ戻し、常にきれいな状態を保つことを心がけること。また、消火器やポールを設置し、安全性の高い材料置場をつくることも忘れてはいけません。
足場ネットや看板シートのヒモは全てキッチリ縛る
足場のかかった施工現場はアピールできる半面、押さえるべきポイントを押さえていなければ逆にイメージダウンにもなりかねません。
たとえば、足場ネットのヒモが一つおきにしか縛っていない場合は隙間ができてしまい、見た目が見苦しいだけでなく塗料の飛散というリスクも高くなってしまいます。
また、下に敷く布シートも隙間なくきれいに敷くことを常に意識することも大切です。同業他社も含め「誰から見られても恥ずかしくない現場をつくる」という心掛けが、施工品質向上につながっていくのです。
養生一つとっても「美しさ・丁寧さ」を表現する
「たかが養生、されど養生」と言われるように、養生(ようじょう)一つとっても、担当する職人ひいては塗装工事店の施工品質を垣間見ることができます。
なぜなら養生の貼り方とは、その職人そして塗装工事店の考えが如実に表れる作業だからです。
養生の本質とは「塗料が付いてはならない箇所(窓サッシやガラス等)に付着しないこと」ですが、お施主様の大切なお家の養生箇所を、まるで包装紙で包み込むように美しく貼り、「工事期間中であっても気持ちの良い生活をおくって頂きたい」という気持ちを表して頂きたいと思います。
このような姿勢を職人の基本姿勢として職人育成にも励んでください。
足場の組立・解体
「足場に始まり、足場に終わる」という意識を持つ
足場工事はトラックや資材で道をふさいでしまうこと、騒音などによって近隣や通りがかりの方々にも迷惑をかけやすいため、クレームにもつながりやすい仕事です。
そのため、足場作業前には入念に近隣の方々へのご挨拶と工事日程表をお渡しすることを基本としてください。
そして、トラックまわりは非常に危険なため、コーンやポールで囲み、歩行者への安全の配慮も忘れないようにしてください。
また、置き看板で注意を喚起することや、工事期間を記載する等の工夫も大切です。
「足場職人」の対応が会社の良し悪しを印象付ける
足場工事は、想像以上にお施主様や近隣の方々へご迷惑をかけてしまうもの。だからこそ、その足場を組んでいる足場職人たちが重要になります。
従来の足場職人のように大声で指示を出し合ったり、資材を建物に立て掛けたり、見た目が怖かったりという、様々な課題を解決しなければ、本当の意味でお施主様に塗装工事でご満足をして頂くことができません。
そのため、足場業者を外注している場合でも、しっかりとマナー教育や社内研修などを設ける必要が今後は益々重要になっていきます。理想としては自社内に塗装事業部とは別の足場事業部をつくり、その会社の理念に合った「自社足場職人」に活躍してもらうことです。足場と塗装の一貫施工がお施主様の満足度をさらに高めるのです。
理想の足場職人とは「塗装ができる足場職人」
住宅塗装を専門とする塗装工事店の場合、凸凹の少ないシンプルな建物は少なく、複雑だったり、狭かったりと、足場を組み立てにくい現場が多々あります。
そのため、作業をしやすい足場を組むための技術が職人には問われるわけですが、塗装工事を行うための足場であれば、やはり足場を組む職人自体が塗装のことを知っている方が、より作業のしやすく、安全な足場が出来上がります。
組み方の問題だけでなく、微妙な高さや間隔など、塗装を経験している職人であれば、その「微妙なさじ加減」を汲み入れた足場が完成します。
そのことから足場職人であっても、「塗装を経験している」なおかつ「自社」の足場職人ということが理想なのです。施工品質を追求し続けるためには、塗装技術のみならず足場技術の習得も欠かすことはできません。
高圧洗浄
高圧洗浄作業が最も重要な作業だと理解する
塗装工事において、高圧洗浄作業が最も重要な作業です。なぜなら、どれだけ上に良いものを塗っていったとしても、下地が汚れていたり、脆弱部が残っていたりすれば、ハガレの原因となり、長持ちすることはないからです。
さらに、高圧洗浄作業は危険をともなうため「1人での洗浄作業」は基本的にNGです。仮に1人洗浄をしなければならない場合に「1人洗浄/日」であるとすると、「2人洗浄/0.5日」にするようにダンドリを変えます。
また、2人目は「ホース持ち」という役割ではなく2台の洗浄機を持っていき、2人とも洗浄作業を行うようにすることで時間の短縮のみならず、職人自身の体力や危険性が半減するのです。そのようにすることでムダな経費や時間はかかりません。
コケ・カビには「バイオ洗浄」を行う
コケやカビを軽く見てはいけません。もし付着している場合には、「バイオ洗浄」を行う必要があります。
「バイオ洗浄」とは、業者によって定義が若干異なるのですが、推奨するのは高圧洗浄する前にハケやローラーを使用して、しっかりと抗菌剤を外壁や屋根に塗布する方法です。溜めた水の中にバイオ液を混入する方法もありますが、それでは素材自体の「奥の根」まで殺菌することができません。
また、コケやカビは一般の洗浄では全て除去することができません。一見すると洗浄できれいに落ちたと思うかもしれませんが、「根っこ」が奥に残っているのです。この根っこからしっかりと殺菌して除去しておかなければ、その上から「防藻・防カビ」機能のある塗料を塗装したとしても効力は半減します。なぜなら外側ではなく内側からコケやカビが再発してくるからです。
コケやカビで悩まれているお施主様の場合はバイオ洗浄は「必須」であると言えます。
「節水」を徹底する
高圧洗浄作業では、水をタンクなどに溜めて使用します。水を出し続けながら洗浄作業を行っていくため、少なからず溜めた水が地面へ流れ続けてしまいます。それはお施主様は当然のこと、ご近所の方々であっても気になってしまう点です。
その問題を解決するために、「フロート弁」と呼ばれる水が満タンになった時点で一時的に水が止まる、という器具を装着し、「節水を徹底する」という配慮をしていくことが大切です。
そのような細かな心遣いが、施工品質の一環であり、満足度向上にもつながっていくのです。
下地調整
「下地調整作業」が品質と仕上りを左右する
「下地調整作業」とは、既存の外壁や屋根に発生しているひび割れやフクレ、ハガレ、サビ等々の症状を修復し、「きれいに整った下地をつくる」ための作業です。
この作業は上塗り塗料を塗装してしまえば、隠れて見えなくなる作業ではあります。しかし、この作業への手の入れようによって品質と仕上りが左右されると言っても過言ではないほど重要な作業となります。
塗装工事とは、上塗り作業よりも下地処理が何よりも大切になってくる工事なのです。
サイディング外壁は「直張り」でないか確認する
本来であれば、見積測定時に調査・判断をしなければならないのが、サイディング外壁の「直張り(じかばり)工法」の有無の確認です。
直張り工法の場合は、早期のハガレやフクレ、ひび割れが起きてしまうため「塗装不可」となっています。それにも関わらず、業者側も直張り工法について知らずに施工してしまい、後々のクレームになることが全国で多発しているのが現状です。
ですから、工事仕様書などに「直張り工法の有無」の記載がない場合は、念のため工事責任者へ確認を取り、直張り工法についての診断をしていなければ工程を進めるのを一旦中止し、直張り工法の確認をすることが先決です。後々のクレームは大きな損害を被りますし、お施主様を深く悲しませてしまいます。
そうならないために、早め早めの確認をしていくことを心がけてください。
サビは厄介者。念入りな防錆処理が重要
サビの発生を軽く考えている職人が多いのも事実。しかしサビの発生は、クレームの中でもトップ3に入るほど非常に多い症状です。
軽くケレン(サビ除去)作業をしてサビ止め塗料を塗る、という簡単な作業では到底サビの発生を止めることはできません。
- ①サビ部分が無くなるまで徹底的にケレン作業をする
- ②サビ転換剤(固定剤)を使用してサビにくい鉄に変える
- ③弱溶剤2液型サビ止め塗料を厚く塗り、強力な塗膜をつくる
- ④中塗り・上塗り塗料でしっかりと保護する
- ⑤お施主様に協力を仰ぎ、台風後にお家全体をホースを使って軽く水洗いして頂く(台風による塩害を最小限にするため)
これらのポイントをしっかりと押さえた施工を行うことで、サビの再発を最小限に抑え、クレームのない美しい仕上りが長続きするようになります。
目地補修
「目地上の塗膜割れ」を防ぐ対策を徹底する
「目地上の塗膜割れ」は、施工後のクレームで1番多い症状だと言われています。それは、シーリング材自体の伸縮性と塗膜の伸縮性が大きく違うことが原因として挙げられます。
これを防ぐためには2つの方法があります。1つ目は「後打ち施工」として、塗装完了後にシーリング補修を最後に行う方法。こちらであればシーリング材の上に塗膜が付かないため割れる心配はありません。しかし欠点としては、シーリング材を保護する塗膜が付いていないため劣化が早いことです。
2つ目の方法としては「割れることを想定した共色(ともいろ)施工」を行うことです。この方法は事前に塗膜が割れることを想定し
- ①材料:素材そのものの弾力性を活かすウレタンシーリング材で補修する(プレミアムペイント製 ダイヤモンドZ)
- ②色:仕上げ色と同色系のシーリング材を選定する
- ③塗料:シーリング材と上塗り塗料との密着性を高める下塗り塗料を使用する(プレミアムペイント製 エタニティex1)
この方法を取ることでシーリング材自体の劣化を防ぎ、塗膜が割れても目立ちにくいシーリング補修が完成します。
※この場合の塗膜割れはあくまで表面層の割れを指していますので防水性に問題はございませんのでご安心ください
目地撤去は「切る」というよりも「はぎ取る」
旧シーリング材を撤去する際に重要なのは目地部側面に付着した旧シーリング材まで完全に撤去できているかどうか。
塗装工事では、シーリング業者ではなく塗装職人がそのままシーリング工事まで行うことも多々あります。そのときに間違ってはいけないのが旧シーリング材を撤去する際に「切る」のではなく「はぎ取る」ということです。
カッター等を使用して撤去することで目地部側面の旧シーリング材はそのまま付着してしまいます。その側面に付着した旧シーリング材まで撤去できれば問題ありませんが、「スピンカッター」等の工具を使用すればキレイに早く撤去することが可能です。もちろん箇所によって良い悪いはありますが、少なくとも目地部側面に付着した旧シーリング材までしっかりと撤去するために「はぎ取る」ことを意識してください。
シーリング用下塗り材の重要性を理解する
軽くケレン(サビ除去)作業をしてサビ止め塗料を塗る、という簡単な作業では到底サビの発生を止めることはできません。
- ①密着性の向上 ※但し、変性シリコンタイプやウレタンタイプ等、種類によってプライマーが変わりますので注意が必要です
- ②サイディングから出るアクを抑える
- ③シーリング材の成分がサイディングへ移行することも抑える
これらの重要な役目があるのです。ですから下塗り材だからと軽く見るのではなく、逆に「重要なのは下塗り」という意識を持ち、担当する職人に徹底するようにしてください。
下塗り
役目は、下地強化・密着性向上・上塗りの厚みを確保すること
下塗り塗料の選定は非常に重要になります。下塗りは最終的に見えなくなるものですが、仕上り感や耐候性を決めるのはすべて「下塗り工程」なのです。
通称、シーラーと呼ばれる浸透型下塗り材は、浸透して下地強化に役立ちますが上塗り塗料の塗膜の厚みを確保することが難しく、逆に、フィラーと呼ばれる微弾性型下塗り材では上塗り塗料の塗膜を確保することができますが浸透力に弱く、下地強化や密着性に乏しいといった欠点が見受けられます。
そのため、シーラーとフィラーの両方のメリットを併せ持つ「プライマー」を有効活用することが重要になっていきます。デメリットと感じる点としては高価であるということ。しかし確実な品質を得られることから考えると最もコストパフォーマンスが高いとも言えます。(※推奨品:プレミアムペイント製 エタニティex1)
劣化した屋根の下塗り選定はとくに重要
屋根塗装で一般的に広く使われている下塗り塗料に「エポキシ樹脂シーラー」があります。作業性が良く、安価であることから現在主流の下塗り塗料となっています。
築10年程度で劣化度合が低い屋根の塗装であればエポキシ樹脂シーラーでも問題ありません。しかし築15年以降の屋根の場合、塗料の吸い込みが激しく、エポキシ樹脂シーラーですと2回以上塗装していく必要があります。
それでは余計なコストと職人の手間がかかってしまうことにもなりかねません。そのような観点から考えていくと外壁と同様に浸透と造膜の両方を併せ持つ「プライマー」がベストであるという結論にいたります。
そして「白色」を使用することで遮熱効果が高まり「熱劣化」を抑える効果も出ますので品質重視で考えるならばプライマーがお薦めです。(※推奨品:プレミアムペイント製 エタニティex2)
「仕上げ色と同色の下塗り材」という発想
従来の下塗り塗料と言えば、クリヤー(透明)もしくは白色が主でした。しかし最新の下塗り塗料では「仕上げ色と同色」のものをつくることが可能となっています。
それは「塗り残しを防ぐ」ことや「目地補修の共色施工」で役立つからです。
しかし一方で、お施主様へ何の説明もしないで有色の下塗り塗料を使用してしまうと、「塗り始めたと思ったらいきなり仕上げ色で塗っているから、もしかしたら手抜きをされているのかも」という不安を与えてしまいかねませんので、事前説明は必要です。
そして、塗り残しを防ぐというメリットがある反面、「手抜きを助長させる」という懸念があるということ。これを解決するためにはどんな業者にも販売するのではなく、しっかりと管理できる「認定施工店制度」で予防していくことが必要です。(※推奨品:プレミアムペイント製 エタニティex1)
中塗り
役目は、仕上り向上・上塗りの厚みを確保すること
中塗り作業では、仕上り感の向上とともに上塗り塗膜の厚みをしっかりと確保するための土台という役目もあります。
中塗り作業というと軽視しがちなイメージを持つ塗装職人も存在しますが、中塗りには中塗りでしかできない役割があります。その役割をしっかりと落とし込み、緊張感を緩めることなく施工にあたることが大切です。
中塗りであっても上塗りのような施工を行う
また、上記で挙げたように、上塗り作業を行えばわからなくなる中塗り作業では、細かな箇所は塗らずに「上塗り作業で仕上げればいい」という考えも根強く残っているのが現状です。
しかしそれは部分的とは言えど厳密にいえば2回塗りであり、それは手抜き作業と言われてもおかしくありません。そうならないために中塗り作業の段階で上塗り作業のように、隅々まで丁寧に施工を行うことを心掛けてほしいと思います。
「自分の家のつもりで施工する」この根本的な行動指針を職人全員が常に意識して取り組むことが大切です。
手抜き防止のための「色変え施工」を行う
そして、中塗り作業で一番「肝」となるのが手抜き防止のための「色変え施工」を実施するか否か。
色変え施工とは、一般的な仕上げ色と同色で中塗り作業・上塗り塗料を行う施工法ではなく、中塗り作業と上塗り作業とで若干色を変えて施工する方法。
色変え施工を行うことで下塗り作業、中塗り作業、上塗り作業の3工程すべてで色が違うため、「塗り残し防止」「手抜き防止」につながります。また、お施主様が見てもどの作業を行っているかわかるため安心感を与えることができます。
「色を変えると色あせしやすくなる」という理由で拒否される業者も見受けられますが、色変えといっても青から赤へというように全く違う色にするわけではなく、1トーン変える程度なので全く問題ありません。
色変え施工は手間と技術力を要しますが、その分、お施主様満足度と施工品質向上に貢献するのです。
上塗り
役目は、3層塗膜の完成から超耐候性の発揮へ
「ミルフィーユ」のような3層の塗膜を形成することが「超耐候性」を発揮させるための必須条件です。「層」をしっかりと作り込むために、
- ①乾燥時間に配慮し、
- ②弱溶剤2液型塗料を使用し、
- ③下塗り塗料は白を基本とし、
- ④耐候性を付与させた下塗り塗料で施工する
このポイントをしっかりと押さえ、基本に忠実に則り、長持ちさせる施工の実施を徹底してください。
鮮やかな仕上げ色にはクリヤーコーティング
最近の住宅では洋風化が進んできており、お施主様の好みも洋風化してきているため、以前はあまり見受けられなかった鮮やかな色で仕上げてほしいというご要望が増えています。
鮮やかな色とは原色に近い「赤」「青」「黄」「緑」「紫」などの色が強く出ている色が該当します。専門用語では「有機濃彩色(ゆうきのうさいしょく)」と言います。鮮やかな色を出すためには人工的に作られた顔料を使用しなければならず(有機顔料)、値段が高くなるうえに、耐候性が落ちてしまう欠点があります。(※反対は、鉱物から作られた無機顔料。こちらは耐候性があり基本的にはこちらの顔料がベースとなります)
お施主様へ有機濃彩色の特徴を説明したうえで、「それでもこの鮮やかな色で塗装してほしい」ということであればご要望通りに施工いたしますが、耐候年数が2年~5年(塗料種によって変動)程度は落ちてしまうため、少しでも耐候性を補うために「クリヤーコーティング」を最後に施す等の工夫も大切です。
最後の「タッチアップ」が印象を決める
「神は細部に宿る」と言われるように、塗装工事においてタッチアップと呼ばれる最終工程があります。塗料がはみ出していたり、別の箇所へ塗料が付着していたり、窓枠と外壁との境のラインがきれいに通ってなかったりと、細かな作業が最後に残っているのです。
しかしこの細かな作業が塗装工事店としての印象を最終決定する重要な作業でもあります。いかに「見えない箇所にまで目がいき届き、きれいに整えていくか」ここに職人としての姿勢が表れてくるのです。
お施主様そして同業他社にも一目置かれる塗装工事店として発展を実現していくのであれば、プロも唸る細かな仕上り品質の追求をし続けることが大切です。
付帯部分
付帯部分までこだわりの施工に徹する
「付帯部分」と言われる雨樋や破風、雨戸、霧除け、基礎などは、外壁や屋根と比べると意識が高くない盲点となっている場合が多々あります。お施主様に限らず業者側もです。
ですから見積書を見てみると、「外壁:フッソプラン」「屋根:フッソプラン」「付帯部:ウレタン」という塗装仕様を組まれる業者が非常に多く、「外壁や屋根がフッソ仕様なのだから付帯部もフッソを塗ってほしい」というお施主様が少ない、もしくは言えない状態であるのが現状です。
しかし付帯部分もれっきとした大切なお家の一部です。外壁や屋根と付帯部分とで塗装仕様が違えば、施工後の色あせの仕方にもアンバランスが生じます。「色あせの時でさえ美しく」という塗装工事店としての哲学を持ち、後々のことまで考えたバランスの良い塗装仕様を組むことに徹して頂きたいと思います。
配色にこだわり、オシャレを楽しむ
「好きな色があるけど外壁や屋根では重くなりそう」「挑戦したい色はあるけど失敗したくない」このようなご要望のあるお施主様もたくさんいらっしゃいます。
そのようなお施主様のご要望を叶えるために、付帯部分を活かすという方法もあります。付帯部分であれば塗装面積も多いわけではありませんので重く感じるというリスクも少なく、仮にイメージと違えば塗り直すことも簡単にできるのが付帯部分の隠れたメリットでもあります。
従来の配色では、窓枠サッシが黒色なら付帯部分も黒色、茶色なら茶色、というように無難に、シンプルに、考えられてきた傾向があります。しかし時代は少しずつ変わってきており、デザイン性に富んだ建物が数多くある現在では、配色にこだわりを持った施工現場も多くなってきていますのでイメージチェンジを考えているお施主様にはご提案をしていくことも今後はさらに必要になっていきます。
付帯部分がお家全体を引き締め、センスを光らせる
付帯部分はお家の「輪郭」であり、メリハリをつけるための「アクセント」でもあります。
たまに外壁と竪樋そして軒天を同色で塗り、全体がのっぺりとしているお家を見かけます。お施主様の好みであれば良いのですが、施工した業者によるものであれば、それは非常に残念なことです。確かに施工する職人からすれば色分けすることなく同じ色で塗装できた方がラクですし早く進めることができます。
しかしお家の持つ表情を引き出し、メリハリをつけ、職人としてのセンスを光らせるためには手間を惜しんではいけません。そして、その手間は本来であれば自身の手掛けた作品であるわけですから誇りを持てる出来栄えにしなければならないはずです。
そのような誇りを持ち、「神は細部に宿る」という精神のもと、付帯部分にまでこだわりの施工そして配色を施し、お施主様満足度を最大限に高めていくことを心がけてください。
アフターフォロー
「施工後からが本当のお付き合い」を社風へ
塗装工事店の経営者であれば、施工後でもお施主様と関係を保たれていると思います。
しかし、そこで働く塗装職人、もしくは下請の親方職人たちは、一般的に施工後には担当した現場すらも行く機会がなく、「施工完了=縁がなくなる」と思っている職人が数多くいます。
しかし地域に根付く塗装工事店であるならば「施工後からが本当のお付き合いの始まり」です。そしてその意識を経営者のみならず職人全員との共通認識として共有しなければなりません。
この思想がなければ目先だけの仕事になる可能性が高く、「末永いお付き合いを前提とした仕事」を職人全員が徹するためにも施工後に行う半年もしくは1年おきの定期点検を担当した職人が行う等の工夫をすることも必要です。実際に自身が手掛けた現場の半年後、1年後の様子を診ることで、より良い仕事をするきっかけとなります。
不具合は「迅速に」対応する
塗装工事は手仕事であり、その時々の環境にも大きく影響を受ける仕事のため、完璧だと思えるほどしっかりと工事をしたとしても、後々の不具合が起きる確率を0%にすることはできないと思っていた方が健全です。
なぜ健全かというと、不具合が起きることを想定していることによって、不具合が発生した場合に迅速に対応することができるからです。
反対に、「クレーム発生率0!」とうたっている業者も見られますが、それは非常に危険だと思わなければなりません。なぜなら、顧客様から要望を聞き入れる体制ができていない、そもそも保証を工事に付けていない、下請仕事がメイン、施工物件が少ない、クレームは発生しているが認めていない、等々、クレームを見て見ぬふりをしている可能性が極めて高いからです。
不具合をこちらから発見し、早期に補修工事などで対応するといった姿勢を貫き、定期点検や顧客様まわりなどを徹底することが大切です。
顧客様との感謝祭でさらに信頼関係を築く
さらに、顧客様と良好な関係を末永く築いていくために、職人全員で総力をあげて感謝祭を実施することも大切な取り組みです。
「数ある中から当社を選んでくださった」ことに対する感謝の気持ちを込めて精一杯の恩返しをして頂きたいと思います。
施工から定期点検そして感謝祭の開催まで、この一連の流れを職人全員とともに行うことで、必ず職人一人ひとりの仕事に対する意識が変わり、今まで以上に丁寧でこだわりのある仕事を自然と行えるようになります。
このような取り組みが地域に根付いた塗装工事店としての在るべき姿であり、地域の方々から愛されるお店として発展していくことができるのです。
これがプレミアムペイントの
施工哲学です。
「施工品質を追求する」とは、決して施工現場だけにとどまるものではありません。施工現場で最高品質を提供するためには、それ以外の1日の流れの中にも施工品質の向上につながる要点はいたるところに存在しています。ですから、出社・退社という1日の終始の要点から始まり、施工現場の要点、アフターフォローの要点まで、「全体」を通した一連の流れを職人全員が掴んでいることによって「今」を活かすことができるのです。要点をとらえ、相乗的に、総合的に、施工品質を向上し続けることがプレミアムペイントの考える施工哲学なのです。